KEN’s 趣味のブログ

趣味の映画、本、釣り、サーフィン、トレーニングを独り言のように書いてます。

映画 ブロークバックマウンテン

ブロークバックマウンテンをご覧になったことはおありでしょうか?

 

ワイオミングで季節労働をする2人のカウボーイのラブストーリーです。2006年のアカデミー賞のノミネートされているのでかれこれ14年前の映画です。実は以前にも一度観ようかと思ったことはありましたが、同性愛の映画ということで敬遠してしまっていました。

 

最近、仕事でLGBTQの権利について考えさせられる事があり、人間として同性愛を認め尊重し男女の関係と同等に扱うべきということを、頭では分かっていながら心の奥底でそれを実は認められていない自分がいたのかもしれません。それは、友情と愛情の境目が曖昧になってしまい混乱するような、愛や人と人との関係そのものを考えさせられ、自分のこれまで持ってきた価値観を崩されることへの恐怖を感じていたのかもしれません。そして、それにあえて抵抗することで、差別的な感情を人は抱くのではないかと実感した映画でした。

 

確かに男同士の愛情で、主人公は子供の頃に同性愛者がリンチされ殺されたところを父親からわざわざ見せられるような、禁じられた愛の時代。その純愛に同性愛も他性愛もなく、人を愛する気持ちを考えさせられます。また、お互いに女性とは結婚し子供もいて、離婚後にデートしていることは良いのに、男娼を買う行為には嫉妬をするなど、恋愛対象の性が違うとそれは諦められるという奇妙な感情も興味深い点です。

 

ブロークバックマウンテン(実際にはワイオミングにそんな山はないそうですが)の映像美が感動的で、アンハサウェイ役の奥さんが言っていたように、あの場所は二人にとっての桃源郷のような神秘的な場所だったのかもしれません。その場所でしか会えず関係を持てない。亡くなってしまう彼が時間が短すぎると、自分の死を予感していたような事を言っていましたが、儚すぎますね。

 

実は少しマディソン郡の橋を見終えた時の感覚にも似たものを覚えました。家族がいる中で、成就しないと分かりながら、でも止めることのできない感情。その場所、思い出をずっと持ち続け、でも違う人生を生きていくこと。人はそういう思い出があるからこそ日常を生きていけるのかもしれません。また、そういう記憶があるからこそ、それこそがその人たらしめているものなのかもしれません。そして、でもそれは他人からは決してみることは出来ない。きっと人とはそういうものなのかもしれません。